君の詩が色褪せても
『素敵ですよね!アイリス!?』
急にテンションが上がり、幸せそうに微笑む少女。
『そっ…そう?』
『好きじゃないんですか?』
『いや、そうだよ…って意味……』
照れ隠しに必死な日和。
『あまりに素敵過ぎたんで、私、この詩をもとに漫画を描いたんです』
『漫画?』
『あっ…私…漫画家志望なんで…』
『そうなんだ…スゴいね』
『スゴくないです…下手くそで、その作品も評価が最悪でした…』
『…そっか』
『植杉さんに申し訳ないです…』
日和は心で『いいえ』と呟いた。
『でも、勇気をくれたんです』
『…?』
『今まで描いても自信がなくて投稿できなかったから…』
『…初めて投稿したの?』
『はい。アイリスに出会えたお陰なんです』
『そっか…良かった…ね』
『会ってみたいんです。植杉日和さんに…』
硬直して汗をかく日和。
『どんな人なんだろう?きっと心の綺麗な人なんだろうな』
『あっ会って、どうすんの…?』
『お礼が言いたいんです。ありがとうございましたって一言』