君の詩が色褪せても
『ファンレター出しちゃった』
『名前…忘れちゃったかな?』
『好きな花は勿論アイリスです』
『最近この服部って人と仕事してるみたいだね』
『採用…ですか?…』
『やっと…夢が叶った…』
『プロになっても、なかなか会えないものなのね…』
『日和の詩があるから頑張れるの』
『やっぱり甘ロリは可愛いよね』
『無理だよ。私には似合わない』
『いつかね、一緒に仕事したいんだ』
『映画…ですか?』
あの時出会った少年が…
植杉日和だと気付いたのは…
出会って1週間もしない間だった…ー
『名前は?』
日和は少女に聞いた。
『えっ……ナッ…ナンパ?』
『違うよ!』
『だよね……』
勘違いに恥ずかしくなる少女。
『あんたがプロになったとき、読んでみたいから。…その…植杉日和に勇気もらって描いた作品を……』
『…?』
きょとんとする少女。
『名前…教えてよ』
『…田中弥生です』
『弥生か…』
『うん…』