君の詩が色褪せても




恋する想いを愛里子に託したと…ー



一生分の恋心を…
愛里子に捧げたと…ー







「植杉日和に恋する心が…ずっとここにある」



愛里子は胸に手を当てた。




「ずっと……?」



顔を少し赤く染めた日和が不思議そうに尋ねる。








「そうだよ。弥生さんは、ずっと日和に恋してたの。恋の妖精である私が彼女と分離するまで…」





「分離…?」



「弥生さんは迷っていたの…あなたに会うことを」



「迷っていた?」



「映画の話が来て、弥生さんが植杉日和のファンであると知っていた関係者はサプライズであなたと律壱さんに主題歌の依頼した」


愛里子は今までと別人のようにハキハキと大人びた口調で喋っていた。



「オレたちが主題歌を担当することが…その…、弥生さんを迷わせたのか?」




「弥生さんは今の自分に不満を抱いていた」


「不満?」


「彼女は決めていた。植杉日和に再会するとき、自分が昔憧れていた理想の人物になれていることを」



「理想……」




『素直で明るくて、私の憧れのなりたい自分…』



「…あの漫画の愛里子」
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