君の詩が色褪せても
「いいけど…今日、自転車じゃないんだ」
「歩きでもいい」
「散歩?」
「日和と一緒に歩きたい」
何も言わず、日和はコクりと頷いた。
笑顔の愛里子。
「途中で疲れたなんて言うなよ」
日和も笑い返し、繋いだその手を引いた。
「ふぁ〜」
助手席であくびをする弥生。
「あっ…ごめんなさい」
手で口を覆い、恥ずかしそうに謝る。
「弥生さん、疲れてるんだろ。寝てていいよ」
公園までの車内。
気を遣う律壱。
「でも…悪いよ…」
緊張してるはずなのに…ー
「心配しなくていいよ。もう変なことはしないから」
笑う律壱。
「それ、冗談にするの早すぎるよ」
眠そうな声でしっかり突っ込む弥生。
「…ごめんなさいです」
いつもより重い睡魔が弥生にのしかかっていく。
困ったな……ー
「眠りなよ。日和に会うんだからさ」
「そ…だね……」
引き込まれるかのように眠りに落ちた弥生。
律壱は虹を目指して車を走らせた。