君の詩が色褪せても
愛里子…ー
ごめんな………ー
公園を走り回って、汗だくになった律壱が車に戻ってくる。
結局、目的はみつからなかった。
「あれ…」
ドアのロックが解除されてることに気付く律壱。
ドアを開ける。
「弥生さん?」
弥生の姿はなかった。
ひとりで探しにいったのか?…ー
漫画は後部座席に残ったままだった。
空を見上げる。
あの大きな虹は跡形もなく消えていた。
運命って…
何なんだろう?…ー
結局何も分からなかった…ー
ただ…
出会って、失った…ー
見つかりそうで…
見つからなかった…ー
これが…
運命だったのか…ー
だとしたら…
運命は悲しいものだ…ー
でも…
温かかった…ー
悲しみ…
苦しみ…
苛立ち…
無心になる……
けど…
温かかった…ー
胸の奥が…
ポカポカした…ー