君の詩が色褪せても
「やっぱ言うのやめたっ」
弥生がそう言うのを待っていたかのように、日和は彼女を抱き締めた。
白い傘が芝生に落ちる。
「……」
目を真ん丸くする弥生。
日和は優しく彼女の髪をなでる。
「弥生?」
耳元で囁かれ、ドキドキが増す弥生。
「……なに?」
「結婚して」
「…?」
けっ…結婚…?…ー
日和の顔を見上げる弥生。
「…なんか…順番おかしくない…?」
「順番なんて数年前から普通におかしかったろ」
「…嫌だっていったら?」
「この海に沈める」
「…物騒…」
「ガキは多い方がいいな。でも最初はやっぱ女の子かな」
「…一姫二太郎?」
「この海の近くに家建ててさ、律壱んとこのガキと遊んでさ…」
日和は弥生を腕の中に入れたまま、永遠と将来の話をした。
「日和…」
「なんだよ、その目は」
弥生の瞳は泣きそうなほどウルウルしていた。
「そーゆー顔すると犯すぞ…」
「もー…、姫のこと考える前に私のこと考えてよ」
「……?」