君の詩が色褪せても
「日和にも友達いるんだね…」
「それ、どーいう意味だよ」
目を細めて愛里子を睨む日和。
「だって日和、意地悪なんだもん」
ツンとしている愛里子。
まぁ、それは色んな女から言われてきたけど…―
「…律壱のことも苛めてるけど、あいつ喜んでるよ」
「……」
愛里子は瞳をパチクリさせる。
「あいつは…」
「Mなんだね!」
日和が言う前に、愛里子がズバッと指摘した。
「お前は変態か…?」
「日和の方が変態っぽいと思うけど」
と、可愛く笑う愛里子。
手強い…―
「ったく、何の話してたか忘れたじゃんか…」
日和はカーテンを閉め、愛里子の隣に少し距離を置いて座った。
「記憶が戻るまで、ここにいていいの?」
「……」
「ダメなの?」
「ちょっとだけ…様子みる」
日和は微妙にためらってから、そう答えた。
「様子?」
「愛里子のこと、知ってる奴とか出てくるかもしれないし…。ニュースで行方不明とかやるかもだし…」
日和は愛里子の目を見ないで語る。
愛里子は、そんな彼の横顔を黙って見ていた。
「誰も…見つからなかったら?」