君の詩が色褪せても
「じゃあ、オレたちも座るか」
律壱は笑顔で、どことなく気を遣った話し方をした。
「あの…?」
日和が弥生美桜の顔を覗く。
「はっ…はぃ…」
彼女の暗い顔がほんのり赤く色付く。
「秋葉原とか中野が好きですか?」
「バカ!何変な質問してんだよ…」
律壱は日和の頭を叩く。
「好きですよ。でも、1番好きなのは原宿です!好きなお洋服のお店が沢山あって…特に裏の方が」
弥生美桜は律壱の行動お構いなしに日和の質問に若干テンション高めで答えていた。
「…へぇ。意外ですね」
何気に失礼な返事をしているのは律壱もだった。
「弥生美桜って、春限定みたいな名前ですね」
失礼しまくる日和。
「…あっ、そうですね!初めて気付きました!」
しかし、弥生美桜は楽しそうだった。
「フルネームだと呼びづらいから、弥生さんでいいですか?」
「はっ…はい…」
急に真面目モードに入る日和に、何故か弥生美桜はまた赤くなる。
「そうですね。弥生さんって方が話しやすいし」
律壱も賛同する。
「はぃ……」
弥生美桜は真っ赤になりながら答える。
「どうしました、弥生さん…?」
「弥生さん?」