君の詩が色褪せても

第５章 ままごと気分

とんだ拾い物をしたもんだ…―











「お帰り日和！ご飯にする？お風呂にする？それとも…」



「何でそんなくだらねぇことばっか覚えてんだお前は！」





日和と愛里子の同居生活は、まだ２日目である。




「さっきテレビでやってたの」




「ったく、最近の番組は教育に悪いな」


親父のようにブツブツ文句を言いながら愛里子の横をすり抜ける日和。













「わぁ〜！！！」



キッチンから聞こえる悲鳴。




「ごめんね日和。またお料理失敗したの」

うるうる眼で懺悔する愛里子だった。






「……愛里子」



「なに？」



「お料理はもうしなくていいから…」

日和は呆れ果てて文句も言い返せなかった。



「…はい…」

しょぼくれる愛里子。




「てか、妖精ならチチンプイプイっとかの呪文で簡単に料理出せないのか？」




「妖精は魔法使いじゃないもん。それに、そんな漫画みたいな非現実的なこと出来るわけないよ〜」


愛里子は半分偉そうに、半分日和をバカにしながら笑顔で返事をした。





……―


コイツには…
何を言っても無駄か…―