君の詩が色褪せても
爽快とは
まさにこのことだ…




坂道、潮風、少し錆びたブレーキの音。



青空、輝く水、懐かしさを感じる風景。




運命…





運命の恋…











ダメだ………





「やっぱ、わかんねぇ〜!」

人目も気にせず日和は叫んだ。







ピンポン
ピンポン
ピンポン
ピンポン


日和が訪れたのは、彼の住まいと同系の高級そうなマンションだった。


ピンポン
ピンポン
ピンポン
ピンポン



その1室のインターフォンを連打しまくる日和。


ピンポン
ピンポン
ピンポン
ピ…

「うるさーい!」


ドアを開け、怒鳴りながら飛び出してきたのは長身でいかにも好青年風の男だった。


「律壱、オレには分からない!」

サングラスを外して瞳をウルウルさせながら玄関先に立つ日和。


部屋の男は内心ドキッとしながら彼を手招いた。







服部律壱。

日和が訪ねてきた部屋の住人である。

彼らは共に22歳。



律壱と日和は親友であり、仕事仲間でもある。



その仕事が今回日和を悩ませていた。
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