君の詩が色褪せても

「何で、自分で着ないの?」



「…勇気がなくって…」



日和の瞳に全て見透かされそうで、弥生は唇を噛んだ。






可愛いお洋服は大好き…―





だけど…


きっと私には似合わない…―




笑われるだけ…―



大人気ないって…



冷たい目で見られるだけ…―



わかってるよ…―






勇気がないだけ…―


怖いだけなこと…―






だから…



言われる前に、そう答えるの…―




「愛里子ちゃんに、とっても似合ってるね」



「うん!愛里子もこーゆーお洋服大好き!」



「良かった。気に入ってもらえて」


ゆっくり紅茶を喉へ通す弥生。




「そうだ!」


弥生はティーカップを持ったまま立ち上がった。



「…どっ、どうかした?」


驚く日和と目を見開く愛里子。



「ついでだから、愛里子ちゃんのお部屋も可愛くしちゃおう!」

メガネの奥の瞳を輝かせる弥生。



「部屋?!」



「愛里子ちゃんのお部屋はここの客間だって律壱くんに聞いたんだけど?」



「…そっ、そうだけど」



若干引く日和。
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