君の詩が色褪せても
弥生の要望で愛里子の部屋である客間を覗く3人。



六畳の和室。

勿論、窓には障子。


布団がちょこんと脇に畳まれていた。





「これはダメだよ!ロリータは全てがスイートじゃなきゃ!」



「すっ…すい〜と?」



急に大声とテンションを上げる弥生に驚きを隠せない日和だった。



「愛里子はこの部屋落ち着くけど」



「ダメだよ愛里子ちゃん!これじゃ妖精じゃなく座敷わらしになっちゃうよ!」


愛里子の手を顔の前で握る弥生。



「えー!愛里子、妖精じゃなくなっちゃうの!?」


真剣な眼差しで弥生の手を握り返す愛里子。



おっ…おい…―



「そうだよ!愛里子ちゃんにはドールハウスで過ごしてもらわないと!」



ドールハウスって…―



「うん!愛里子、住みたい!!」



なんだよコイツ等!―



「日和くん、この部屋改造してもいいかな?」


「えっ…」


ハツラツとした弥生の笑顔にポカンとする日和。



「ダメなの?」


そんな顔を不満げに見つめる愛里子。




「べっ…別に…オレは構わないけど…」



……?―




「やったぁ〜!!」


弥生に抱きつく愛里子。
< 73 / 219 >

この作品をシェア

pagetop