君の詩が色褪せても
なんか…―
変な雰囲気だな―
「じゃあ、明日色々持ってくるね」
「うん!!」
似てる?…―
まさか……―
ねぇ―
「……ん?」
「…よりくん?」
ドキッとして我に返る日和。
「なに?」
「明日は、朝早く来てもいい?」
「…弥生さん、仕事は大丈夫なの?」
引きつり笑いで尋ねる日和。
「大丈夫!私には有能なアシスタントが沢山ついてるから」
アシスタント…
他人任せかよ…―
「じゃあ、失礼します」
弥生はハイテンションのまま帰って行った。
「愛里子、弥生さんのことどう思う?」
「なんでそんなこと聞くの?」
いつもより、少し大人びた表情で質問を返され、日和は思わず目を伏せる。
「…ほら、弥生さんのことお母さんみたいって言ってたから、また何か思い出したかなと思って」
一瞬静まり返る部屋。
愛里子は日の暮れた空に浮かぶ紫色の雲をじっと見ていた。
「変わらないよ。何も思い出さない」
「そっか…」
「日和はどう思うの?」