チョコレート大作戦【短編】
泣き顔のまま見上げると、爆笑する聡志が目に入った。
「おまえ、鈍くさすぎ。腹いてー」
「笑わないでよぉ」
何がそんなに可笑しいんだろう。
チョコ盗まれるし鈍くさいし、こんな彼女に呆れないのかな。
「バーカ」
そう言って口元を緩ませた聡志の唇が私の唇に触れた。
涙で視界がぼやける。
キ……キスされた!?
驚きで涙が引っ込んでしまう。
「いつまでも地べたに座り込んでんじゃねーよ」
そう言って微笑む聡志にドキドキする私は重症のよう。