チョコレート大作戦【短編】
どうすっかなー。
バカな未乃里に分かりやすくちょっと脅かしてやるか。
俺は未乃里を道路の塀に追いやり、壁に両手を付いて囲んだ。
「じゃあ、教えてやろうか?俺がどんだけ未乃里が好きか。
腰、抜かすなよ」
そう言って顔を近づけると彼女はゆでダコみたいな顔をして力なく俺を押し返す。
「わ、わかった。わかってるよ」
慌てふためく彼女。
予想通りの反応。
ってか、やべー。
ちょっと脅かすつもりだっただけだけど、
未乃里のやつ可愛いすぎんだけど。
こんな弱い力で押し返せるわけねーのに。
ほんと、やべー。
はめるつもりがハマりそうになって、未乃里のおでこにデコピンした。
「リベンジは俺の誕生日な。
楽しみにしてる」
その言葉だけで笑顔になるこいつに、
相当ハマってるらしい。