あの日に帰りたい〜第二部〜
若い私は、今はまだ、時期尚早だと思い黙々と働いた。雨が降ろうが、木枯らしが吹きすさぶ日もラーメンの出前に励んだ。母も父も、息子がそんな不届きな事を考えているとは夢にも思わず、真面目にバイトに励んでいる息子に安心していた。若い私は、卒業した中学の近くのバイク屋で、買いたい原付を物色していた。懲りない男である。
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