あの日に帰りたい〜第二部〜
出前のバイトの行先に、羽振りの良い、如何にも成金というようなでかい屋敷があった。ラーメン屋のマスターに聞くと、建設会社の社長の家で、かなり金持ちらしかった。そこの奥さんは愛嬌のある、優しい人で、いつもチップをくれた。10年ほど前に故郷へ帰省した際に母に尋ねたら、バブル崩壊で、どこかへ行ってしまったらしい。バブル崩壊は思い出も崩壊させた。
< 146 / 176 >

この作品をシェア

pagetop