あの日に帰りたい〜第二部〜
「のぶひで君から電話だよ。」階下から母が呼ぶ声で若い私は目を覚ました。「ひでぇ目にあったみてぇだな?」どこか含み笑いをしているような声が聞こえてきた。「めちゃくちゃに殴られたよ。」若い私は不貞腐れて応えた。私も若い私に同化して、のぶひでの話を聞いた。「ちーにミーコから電話があった。ミーコはおまえに悪いことをしたと泣きじゃくっていたらしいぞ。」若い私は唇を噛んで、悔しさを堪えるしかなかった。
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