二十歳計画
「ななななな、何で知ってるの!?」
「そんなの、お前の態度とか見れば馬鹿でもわかるぞ」
そんなにわかりやすかったとは…。
ということは、聖二君も気づいていたかもしれない…。
ていうか、
「黒崎君、本当にあたしのこと知ってたんだね」
「嘘ついてると思ってた?」
私はごめんなさい、と小さく言って、
「だって、こんなに目立つ人を覚えていないなんて、信じられなくて」
「それだけ上田に夢中だったんだろう」
黒崎君に言われた瞬間、その通りだと感じた。あの頃は、周りにまで頭が回っていなかったかもしれない。
「アイツが羨ましいよ」
ボソッと黒崎君が呟いた。
私が黒崎君の方に顔を向けると、
「俺、ずっと鈴木さんのこと、好きなんだ」
黒崎君は微笑んで言った。
私は、人生初の告白をされて嬉しい気持ちよりも、驚きが大きくて声が出なかった。