二十歳計画
その後もしばらく話をして、夕日が暮れはじめた頃に裕子と別れた。
家に帰り、誰もいない部屋にただいま、と呟いた。一人暮らしをして大分経つが、これだけは中々治らない。
前に母親が来たとき話したら、面白そうに顔をニヤケさせて、
「じぁ、一緒に住んであげようか?」
と言われたが、即答でお断りさせてもらった。
簡単に夕飯を済ませた私は、シャンプーを切らせていたのを思い出し、近くのスーパーに行った。
「あ。」
「はっ!?」
予想外の人物と遭遇してしまった。
(き、気まずっ!!!)
今私の目の前にいるのは、昨夜告白してきた、
「黒崎君…」
「何してんだ?」
本人は昨日の事など無かったように話してくる。
「シャンプー、切らせて、て…。黒崎君は?」
「俺は妹に買い物頼まれてさ。ったく、自分で動けってーの」
ブツブツ言いながら、黒崎君はカゴに商品を入れていく。