二十歳計画
(妹さん強いなー…。っていうか)
「可愛い」
「は?」
黒崎君は驚いて振り返った。
(やばいっ!!!心の声が!!)
私は顔を精一杯横に振った。
「く、黒崎君の妹なら、可愛いだろうなぁ…って」
「小さい頃は可愛かったんだけどなー…」
いつから、あんなになったかな…、と言って首を傾げた。
(妹思いの優しいお兄ちゃん!!)
ずきゅーーーんっ
「ぎ、ギャップが…///」
「鈴木?」
---------------------
あの後も、私は黒崎君の買い物に付き添った。お互いレジを済ませて、外に出た。
「送って行くよ」
店から出た瞬間に黒崎君は言った。それは悪いと思って、断わった。しかし、
「買い物付き合ってくれた礼。それに、夜道を女一人で帰らせるなんて危険で、俺が安心できない。相手が鈴木だったらなおさら…」
そこまで言って、黒崎君は俯いてしまった。私も恥ずかしくなって下を向いた。
結局、私が折れて家まで送ってもらうことになった。