二十歳計画
鏡を見ると思ったより酷かった。
正直、本当に気持ち悪い。個室に入って軽く吐いた。
口を水で洗うと、私は皆がいる席に戻り裕子に外で涼んでくる、と耳打ちした。
ついて行こうか?と言われたけど私は首を横に振って店から出た。
外に出ると仕事帰りのサラリーマンやらが、うじゃうじゃいた。
(今度は人酔いしそう…)
私は顔を上げ、空を見上げた。
自分が子供の頃、母親と一番星を一緒に探した。
でも、どれも同じくらい光っていて、結局一番星なんてものはわからなかった。
今は一番星を探すどころか、星すら見当たらない。それが少し寂しく感じた。
ふと、視線を感じて隣を見るとあの人がいた。
「ひっ、」
思わず出てしまい、口を手で覆った。
その反応をみて彼は、クスリと笑った。
「驚いた?てか、ビビり過ぎじゃない」
まぁ、仕方ないか、と言って彼は煙草を口にした。
「あの時は…すいませんでした…」
一応謝罪をしておこうと、謝ると彼は目を見開いて
「え!?いや、鈴木は全然悪くないから!!あの時は俺が機嫌悪くて、勝手に当たっちゃっただけだから…、さ…」
ポン
「恐かったよな…」
彼は空いている手を私の頭に置いて、優しく撫でた。