時を越える愛歌
祐介は玄関で靴を履きながら振り返った。
ちゃんとお礼言わな…
奈美「えっと…服、ありがとう…」
少し照れてる自分が気持ち悪い。
祐介は「そんなんええよ」と笑いながら出て行った。
いざ1人になると…何をすればいいのか分からへん…
さぁ…今から何しよ?
外に出てもそこら辺歩く事しか出来へんやろうし…
家の鍵持ってるけど、ここら辺を探検するのは今度にしよう。
奈美「…勝手に部屋の掃除とかしてもええかな?」
あたしは少し散らかってるテーブルに目をやった。
ギターのピックやら、ボールペンやらが転がっている。
綺麗にしようといろいろ分けていると、1枚の紙を見つけた。
奈美「…歌の歌詞?」
その紙にはぎっしりと文字が書き殴られていた。
悪いかな…と思いながらと内容を読んでみると、悲しい恋物語やった。
…これは大切な物や。
あたしはそう判断して、テーブルの上の物には、余り触れないようにした。
掃除は諦めて、今度は料理を作る事にした。