時を越える愛歌
PM11:00
バンドの仕事も終わって家に帰り、風呂に入る。
タオルを首にかけながら携帯を見てみると、優くんから「祐介、ちゃんと家帰れたか?」と心配メールが着ている。
…僕ってそんなに危なっかしい子なんかな?(笑)
「ちゃんと帰れたで♪」と優くんに一言メールを送ってからベランダに出た。
マンションの4階という事もあるのか、秋の夜は少し肌寒い。
祐介「…寒っ」
風呂上りにベランダなんかに出る方がおかしいねんな(笑)
手と手をこすり合わせてながらなんとなくマンションの下の見ていると、ゴミ置き場辺りに女の子が座り込んでる。
祐介「またや…」
最近僕の住んでるマンションの下にヤラカシが居ったりしてる。
この前まで毎日のように居って、最近は減ってきてたのに…何でなん?
こんなんされたらこっちも迷惑やけど、同じマンションに住んでる人にも迷惑かけるから本間にやめてほしいねん。
正直直接「こんな事すんなや」って言ってやりたいけど、そんな事したら相手の思い通りや。
マンションの人には悪いけど、放っておくしかないねん。
祐介「本間にいい加減にしろや…ったく」
僕は誰も聞いていないのに舌打ちして部屋に戻った。
どうせもうすぐ帰るやろ…
そんな事を思いながらソファーに寝転がってたら、疲れのせいかいつの間にか寝てしもた。
祐介「寒…」
寒くて目を覚ました僕は、自分がソファーで寝てしまったという事に気がついた。