時を越える愛歌
奈美「うん…あんな、祐介の事やねん」
あたしは座り直して隆平くんの目を見る。
隆平「祐介?何かあった?」
奈美「あたしな…祐介の事、好きやねん」
自分の気持ちを、隆平くんに言ってしまった…
心の内を打ち明けたのは隆平くんが始めて。
隆平「本間に?良かったやん!」
奈美「でもな…」
でも、あたしは…
祐介や隆平くんと違って生きてないから
隆平「…」
奈美「何かな、そんな自分が祐介を好きになる資格なんかないなって思って」
こんなあたしが自分の気持ちを伝えた時点で、
祐介は何て言う?
正直、困らせるだけなやんな。
自分が気持ちを伝えて、相手に迷惑かけんねんやったら、
あたしが我慢すればいい?
自分が生きてないから、伝える事が出来ない想い。
伝えたくて伝えたくて、どうしようもないのに、
伝わらない想い。
こんな自分が…本間に嫌。
自分の気持ちを伝えられへんって事は、両思いなんて絶対ありえへん。
祐介があたしを好きなんて絶対ない。
世の中そんなに上手くいかへん。
奈美「やっぱり、あたしのこの気持ちは…無意味なんかなっ?」