時を越える愛歌
「奈美が好き」って言ったら、どんだけ楽になれるやろう。




「ずっと一緒に居って」って言えたら、どんだけ体が軽くなるやろう。








「愛してる」



そう言ったら、奈美は僕のこと、好きになってくれますか?









仕事の帰り、何気なくコーヒーショップに入ると誰かに声をかけられた。





「祐介?やっぱり祐介や!」






祐介「…那都」




高校時代の同級生の那都やった。





高校時代の彼女…つまり元カノ。









那都「祐介、知らん間に芸能人なってるからビックリしたやん」





祐介「そうなん?(笑)」



那都「当たり前やん!めっちゃカッコ良くなってるし!(笑)」






芸能界に入ったからって絡んで来て、




他のメンバーを狙って仲良くしてくる女友達。








那都やって、どうせそんなんや。





久しぶりに会ったせいか、昔話で盛り上がった。






あんまり話すつもりはなかったけど、



何か今日は奈美に合わせる顔がなかったから帰りたくなかった。








帰る間際、那都に言われた一言。




那都「なぁ…あたしらヨリ戻さん?」

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