時を越える愛歌

小さい頃、私の両親は死んだ。

行き場をなくした私を渋々引き取ったのは、私の母のお姉さんにあたる人やった…

義理母「奈美!!何でこんな事も出来へんの!!ちょっとはお姉さんを見習い!!」

奈美「痛ぃっ…」

小さかった私は義理の母の言う通りになってて、何かあったらすぐ暴力。

義理の母には夫と2人の姉が居って、家族全員で私の事を虫ケラ扱いしてた。

義理母「今日家に電気屋来んねんけど、誰も家に居らんから奈美、アンタが留守番しときや」

奈美「えっ、でも学校…」

義理母「アンタがそんな事言えるん?高い教育費払ってもらってんねんから言う事ぐらい聞いたら!?」

中学生になってもずっと奴隷扱いの日々。

義理の家族が居ない学校が、一番安心して居れるとこやったのに…

“高校に行けるだけ、幸せやと思い!!”

高校に行けたものの、せいぜい義理の家族の分際やからええとこには行けなかった。

でも高校へ行けるだけマシやった…

私がバイトして稼いだお金は全部義理の母のお金…

今まで払ってやった分、きっちり稼いで返せと言われた。

欲しい物も買えないし、一人暮らしやって出来へんかった。

私はお金を稼いで奴隷をさせられてる…そんな日々を私はずっと耐えていた。

祐介「…」

思い出すだけで嫌になる。

思い出したくもないあいつらの顔…

奈美「…シンデレラみたいやろ?」

シンデレラ…

シンデレラなんてまだ幸せな方や…

奈美「毎日奴隷扱い、したい事も何も出来へん…」

祐介「奈美ちゃん…」

奈美「辛い事乗り越えてきたのに…あたしを救ってくれる王子様なんか現れへんかった」

王子様どころやない。


あたしにはもっと不幸な事が起こってんから…



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