時を越える愛歌

祐介「おん」



奈美「…最近何か素っ気無いやん、祐介」



祐介「…」



奈美「うち何かした？せやったら謝るねんけど」



祐介「何もしてへん」



奈美「せやったら何で…」






うちのこの言葉が



うちらの関係をぶち壊しにした…







祐介「奈美には一生分からんやろうな…」



奈美「…え？」



祐介「本間に…気付くの遅過ぎやわ」



奈美「…」





祐介の顔色が一気に変わった。


作り笑いも消えて、いつも祐介の面影が一つも感じられへん…




意味が分からへん。




うち祐介に何かした？


知らん間に何か言った？





嫌いになるようなことは自分からせぇへん。






奈美「そんなん…」



祐介「…」



奈美「祐介やってうちの気持ちも分からんわ」



祐介「…」



奈美「こっちも辛いことあるもん…ちょっとは分かってほしかってん」



祐介「…」



奈美「心配してんのに…悲しかった」



祐介「…ほな奈美は」



奈美「…」



祐介「僕の全てが分かるって言うん？」



奈美「そんなんっ」



祐介「何も分かってへんのにそんなこと言わんといてや！」














その一言を残して祐介は出て行ってしまった。
「何も分かってへんのにそんなこと言わんといてや！」



そう僕は奈美に怒鳴りつけて家を飛び出して来た。