時を越える愛歌
隆平「何で急にお兄ちゃんやねん(笑)」
奈美「良いやん!隆平くんはあたしのお兄ちゃんや!(笑)」
隆平「よし!そのいきで頑張るんやで!(笑)」
奈美「うん!本間にありがとう!」
隆平くんの手を握ってから、あたしは立ち上がった。
空を見上げて大好きな満月にお願いするように頷いて、公園を出た。
ゆっくりゆっくり、祐介の家に近付いてくる。
もうあと戻りは出来ひん。
ここれあたしは変わるんや。
祐介に“好き”って、伝えるねん…
このまま僕の気持ちは終わって良いのか?
きっとこのままじゃ終われない。
いや、終わらせない…
那都を家に帰らせ、僕は付近を走り回った。
絶対奈美は寒がってる、小さな体を震わせてる。
そんな奈美を考えるだけで、不安でたまらなかった。
自分が奈美を泣かせてしまった。
あの時のことが一瞬にして僕の脳内を駆け巡る。
僕は、僕は…
ふと立ち止まった時、僕の耳には聞きなれた声が入ってきた。
声の方に目を向けると、奈美と隆平の姿が目に映る。