時を越える愛歌
奈美「…それで…今に至るねん…」

話終わると、なぜか気持ちが軽くなった。

こんな話をして悪かったと思い、誤ろうと思って祐介さんを見てみると…


泣いてる…


祐介「ありがとっ…辛いのに、話してくれて…」



不思議な気持ちになった。

さっきあった他人やのに、幽霊やのに…


何で泣いてくれるんやろって





奈美「祐介さん…すいません、あたし」

祐介「奈美ちゃんが誤る事ないで…何も悪ないねんから」





そう言って、あたしの手を握ってくれた。





祐介「僕も昔…奈美ちゃんと似たような事があってん…」

奈美「祐介さんが…?」

祐介「うん…せやから奈美ちゃんの事、放っておかれへん」





“僕ん家に居り”

祐介さんはそう言った。





奈美「でもっ…あたし幽霊やで?いつ消えるか分かれへんのに…」

祐介「ええねん、やって何処も行くとこないんやろ?せやったら…ここに居ってええから」

奈美「…やっぱり迷惑やで」

祐介「それでもいい!…居り、な?」





なんて優しい人やねんやろ…

今までで、こんなに優しい人に会ったんは久しぶりや…





奈美「ありがとうございます…何かで絶対に恩返しします」
あたしの手を握って










“放っておかれへん”





そう言ってくれた













あなたの手は温かった。
夜遅かったので、僕ら一応眠る事にした。



< 8 / 113 >

この作品をシェア

pagetop