時を越える愛歌
苦しいよ、喉が詰まりそう…
祐介「奈美ー聞こえてますかー?」
奈美「…っ、ゲホゲホッ!」
祐介「大丈夫?」
奈美「大丈夫、大丈夫…何か電波が悪かったみたい…」
祐介「マンションやからな、仕方ないかー」
奈美「あはは、良くあるよな、マンションとかは…」
祐介「うん(笑)でさ、今日のことやねんけどー」
電話越しに聞こえる祐介の声を耳では受け入れるが内容なんか頭に入らず、今自分の身に起こったことでいっぱいだった。
身体の次は、声?
あたしは声まで奪われるん?
何も話せなくなる?
声まで失ってしまったら。
これから先、祐介に隠し通す事なんか出来ひんよ…
ねぇ、どうすれば良えの?
きっとこれは試練であって
神様があたしを試してる。