時を越える愛歌
僕は起きていた。
眠れなかったのもあるけど、第一に奈美ちゃんが心配やった。
隣で寝息をたてて眠る奈美ちゃんは幽霊とは思えない。
騙されてんのかな?
そんな事を思った事もあったけど、奈美ちゃんに限ってそんな事しないと信じていた。
あの後、奈美ちゃんは「あたしに気付いてくれたのは祐介さんだけやった」って言ってたけど。
どうして僕は奈美ちゃんが見えたんやろう…
生きてる人間やない以上に、どうも不思議で仕方なかった。
いろいろ考えているうちに窓の外から薄明るい光が差してくる。
頭が混乱してても朝はやってくる。