時を越える愛歌

真っ白な壁に真っ白なベッド、身体の所々に包帯が巻かれており、白衣に身を包んだ男性と女性が隣に立っている。


ここは…まさか…

奈美「病、院…?」

医者「そうですよ、ここは病院です。とりあえず目が覚めたようで良かった…」

奈美「…何であたしはここに?」

医者「覚えてないですか…」





苦笑いを浮かべて深刻そうな表情の先生を見ていると、何故か激しい罪悪感に襲われた。

きっと言いづらいことを、あたしは仕出かしたんだろう。


そのぐらいの予想は出来た。


でも思い出そうとすると頭に激痛が走り、身体が思い出すことを拒否する。





医者「大丈夫?」

奈美「大丈夫です、ちょっと頭痛がするだけで…」

医者「仕方ないですよ、大抵の方がそうなりますからね」

奈美「すみません、あの、あたしは一体…」





自分で思い出せない今、唯一真実を知っているのは先生しか居なかった。


とりあえず自分の名前や年齢を尋ねられ、何度か質問と回答を繰り返してから本題に入る。





医者「奈美ちゃんな、ビルから飛び降りたんよ」

奈美「…」





…思い出した、記憶。

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