幼なじみ
幼なじみ

入学式



「ゆーいっっ。マジ起きて」
「んーーーーー」
「優衣‼‼」
「ふゎい...」


よし。今日は遅刻しねぇな。
「ほら、制服」
真新しい制服を優衣に手渡す。



今日は入学式だ、俺と優衣の。
優衣が西高校に行くといったから、俺も西高校に進学した。
俺は、生まれて15年。
ずっと幼なじみの優衣に恋している。
鈴木涼。



「優衣、おはよ」
「涼、あたし今日は寝坊しなかった」
嬉しそうに言う優衣だけど、俺20分間起こしたからな。
「そだね」
「涼...今日からあたしたち高校生なんだね」
「ん。俺らであってから16年、だな」


しんみりした空気になったとき...
「優衣ー♪」
高い声が道に響いた。
「千夏ー。おはよ」



千夏は優衣の親友で、俺の相談相手。
「優衣が遅刻しないとかめずらしっ」
「ひどい...ちゃんと起きたもん」
いや、俺が起こしたんだよ?
だよね?だよね?



「どうせ涼が起こしたんでしょ」
「んなことないよー」
「いや、あるから」
俺の突っ込みもむなしく、優衣がはやおきしたことに...
俺、泣いていい?



「涼、同じクラスだよ」
嬉しそうにほほ笑む優衣。
「また優衣の世話がかりかよ」
なんて言いながらも、心の中ではガッツポーズ。
「あ、千夏も一緒だ」
「げ...マジかよ」



千夏が一緒だったら、何かあるたびにからかわれることまちがいなし。
「涼、優衣。今年もよろしく」
千夏さん、笑顔怖いっす。




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