幼なじみ


「4人で遊ぶの久しぶりじゃない?」
「確かに~」
優衣はとっても楽しそうにはしゃぐ。
「優衣、お土産買いにいくぞ」
「へ?うん」
不思議そうな優衣のてを引いて土産やに入る。





「なにがいいかなぁ」
「ね、涼。誰のお土産?」
「沙羅だよ」
優衣の顔が一気にひきつった。
「今日、命日だぞ」
「そ、そっか...今年で5年?」
「そうだなぁ」





優衣の顔は今までにないぐらい青ざめ、震えてた。
「優衣、もう大丈夫だから」
「な...にが?」
「優衣、大丈夫だから。もうおびえんな」
「はは、うん」





水族館を出るころ、優衣は作り笑いさえもできない状態。
そんな優衣を心配する千夏もやや苦笑い。
「さぁ、行くか」
翔の一言にみんな無言でうなずいた。
「もうつくなぁ」
20分ぐらいバスに揺られた。






優衣は気分が悪いです、と顔で語ってた。
「お花かおっか」
千夏の目にはすでに涙がにじんでる。
「優衣、ひまわり、買ってやれ?」
「うん...」
声も心なしかふるえてる。






もうこんなにおびえる優衣は見たくない。









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