幼なじみ


撮影は驚くほど順調。
さすが蓮さん。
俺が言いたい事もすぐに理解してくれるし、誰もくれないようなすげぇアドバイスもくれる。
世界一のすごさを見せつけられる。






「蓮、涼おつかれ。」
「「ありがとうございました」」
どんなに有名になっても、あいさつは敬語。
それが蓮さんのモットーだとか...。
天狗にならないところ。
でもちゃんと自信を持ってる。
誰よりも高いプロ意識。
俺はいつになったら蓮さんに並べるんだろうか。





休憩時間。
優衣から届いていたメール。
≪かえり何時?急に仕事入った。一緒に帰りたい≫
絵文字なんて全くない男みたいなメール。
そこが優衣のいいところ。
だったりするのかもしれない。
俺からしたら全部いいところなんだけど。






≪あと一本。6時には終わる。スタジオどこ?≫
≪いつものとこ≫
≪俺のが早く終わると思う。迎えに行く≫
休憩時間のこんなやり取りまで嬉しいと思ってしまう。
「涼、そろそろー」
「はい!」
シンさんに呼ばれて控室をでる。





いつも通りの撮影。
でも俺には日本一の貫禄がある、らしい。
一緒に撮る後輩はいつだって喜んでくれた。
「涼さん。明日俺初JOYなんす!」
「マジか。頑張れよー監督厳しいから」
「えー!?そうなんすか?」
涙目になってる後輩、NAOTO。
「おい涼ーNAOTOいじめんなよ!」
「わかってますよ♪」





最近後輩をいじるのが楽しくてたまらない。





< 113 / 159 >

この作品をシェア

pagetop