幼なじみ
「お疲れした!」
「じゃーなNAOTO」
「涼さん、またお願いします」
今の後輩モデルでは一番いい味を持ってるNAOTO。
俺は結構気に入っててしょっちゅう一緒に撮っている。
ユイも個性があっていいと褒めてた。
滅多に人をほめないユイに褒められるNAOTOは結構すげぇ。
「優衣、待ってかな...」
静かにいつものスタジオのドアを開ける。
俺たちが初めて撮った場所。
「最後ユイちゃんと詩音ちゃんの2ショットね」
「「はい」」
あ、詩音...
最近急に売れてきたモデルだっけ?
結構可愛いって評判いいんだよな。
「あ、涼さん!」
「キャーー!本物?!」
騒ぎ出すモデルたち。
「撮影中だから静かにしよ?」
表向きスマイルで女の子たちをだまらせる
「ユイさすが!」
カメラさんは俺も何度かお世話になった高野さん。
どうやらユイを気に入ってるらしい。
「詩音!今の笑顔もっかい」
「はぃ!」
新人って感じの返事。
でも裏表ありそうだな...俺嫌いだ。
「ユイさん、お疲れ様でした!」
「またね」
ユイが俺に駆け寄ってくる。
「涼!お疲れ様」
まだ『ユイ』なんだ。
ってことは俺も『涼』??
「お疲れ。今日の撮影、すごいよかったね」
「あ、りがと...」
少し照れてる優衣が極上にかわいい。
「きゃー!かっこいいやばい!」
「ナマ涼だよぉ!」
同じモデルなのになんでこんなに騒ぐ?
「あの!」
「「?」」
話しかけてきたのは詩音。
「ユイさん!ありがとうございました。よかったらまたお願いします。涼さん、はじめまして」
「詩音はいい笑顔持ってるからがんばって」
先輩らしくアドバイスするユイ。
「詩音ちゃんだよね。また機会があればよろしく。」
にこにことさわやかな笑顔を浮かべてるのは、俺。
普段ならこんなことぜったいいわねぇ。
ただユイの前だし、モデルの場だし。
「あの。二人は付き合ってるんですか?」
「「うん」」