幼なじみ

異変



「優衣、おはよ」
季節は秋。おれたちは中間テストを目前に仕事を少なくしていた。
「涼...おはよっ」
優衣...少し顔色が悪い。
「寝不足?」
「そうかも。仕事で全然勉強してなかったからやばくて」
「優衣ーーーーーーーーー」
「「千夏」」
千夏に会うのもなんだか久し振りな気がする。






夏休み明けてから今日まで、ほとんど仕事だったからな。
「あんたらが朝から学校なんて珍しいわね」
「テスト前だから」
「あーそっか」
千夏は少し見ない間に少し大人っぽくなり、雰囲気が変わってた。
「千夏なんか大人っぽくなったね」
優衣も同じことを考えてたんだ。






「あ...髪少し黒くしたんだぁ。メイクも変えた」
ピースして笑う千夏はいつもの笑顔。
「そうなんだ♪」
今の優衣は雑誌の関係で、ゆるいパーマがかかった茶髪。
メイクは少し派手で、短めのスカートもよく似合ってる。
優衣は何しても似合うけど...。
次CM撮るとか言ってたからまた変わるかもなぁ。





「っ...!!」
いきなりしゃがみ込む優衣。
「え...優衣?」
千夏は急いで優衣に駆け寄る。
「どうした?!」
「ごめ...ちょ...貧血」
力なく笑う優衣はどこか無理してる。
「寝不足なの?」
「うん。ちょっと...」
寝不足が原因か。
ちょっと安心した俺と千夏。





このときすぐ病院に連れて行けばよかったんだろうか。
そしたら優衣は今も俺の隣で笑ってた?






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