幼なじみ
それからもリオの話は続いた。
写真を撮ったこと、中出しはしてないこと。
「で、その写真で俺を脅そうって?」
『さすが♪』
リオの条件はこうだった。
優衣とかかわらない。
『簡単でしょ?』
リオは鼻で笑ったけど、優衣が大好きな俺にとってそれは何よりもつらいことだった。
明日から優衣と話せない。
明日から優衣にかかわれない。
俺の人生で一番つらい時期だ、きっと。
次の日。
俺は30分はたく家を出た。
優衣に会ったら無視なんて絶対できないから。
「涼、おはよー」
「リオ...」
これは挨拶しろってことか?
「うぃす...」
「きゃーーーー♪いいなー涼君が彼氏なんてー」
は......?
「涼、こっちきて♪」
俺の手を引き、廊下に出る。
「ってことでよろしくね?涼♪」
「まてよ...何でおれが...」
「写真バラまいちゃおっか?」
「......っ」
リオはひらひらと手を振り、教室に入っていった。
「涼、今日は早いね」
優衣...!!
「ぁ...」
「涼ー?早くー」
リオ...優衣の前では...やめて...
絶対に...優衣は傷つく。
「あ、優衣おはよ?」
「お...はょ」
消え入りそうな優衣の声。
優衣は怯えてる。
「りょ...」
この眼は俺に助けを求めてる。
「あたし、涼の彼女になった」
「え?」
「ね、涼?」
「あ...あぁ」
ごめん優衣。泣かないで。
ごめん優衣。わかって...。
こんな方法でしか優衣を守れない。
「涼、いこ?」
「うん」
リオは俺の手を強く握る。
優衣が見てる...今すぐ払いたい。
今すぐ優衣を抱きしめたい。
「よくできました」
リオの囁きで現実の戻る。
俺がそばにいるほうが、優衣は傷つく。
ほんとはわかってたのかもしれない。
認めたくなかったんだ。
今に状況も...優衣のことも。
いまさら後悔したって遅いよな。