幼なじみ


中2...あたしと優衣のクラスは違うかった。
あの4人はおなじクラスで皆に、P4(パーフェクトフォーズ)と呼ばれていた。
あたしは相変わらず二番手で、いつも優衣の背中を見てた。





中3、優衣とあたしは同じクラスだった。
P4はバラバラになった。
優衣と涼君が違うクラスになれば一緒にいる時間も減るし、チャンスかもしれない。
そう思った男女は何人いたことだろう。





でも、優衣と涼くんにはクラスなんて関係なかった。
毎朝一緒に登校して、一緒に下校する。
涼くんがバスケ部で優衣がマネージャーだったから、3年間すっとだった。
お泊りもしてたみたいだし...家族ぐるみで旅行も行って。
ずっとずっとうらやましくて、1度でいいから変わってほしかった。
「涼君、明日勉強教えてほしいな」
上目づかいで涼君を誘惑しよ♪





「あ、今日は優衣と勉強会するから。」
断られる理由は毎回これ。
いつさそっても優衣優衣優衣優衣。
遊んだことなんて一度もない。





涼君はこんなに優衣優衣言ってるのになんで気付かないの?
だんだん優衣にムカつくようになっていった。
高校受験。もちろん優衣と涼君は同じ高校を受けるのだろう。
翔は私立に進む噂がたっていた。





「優衣、どこ受けるの?」
「あたしはー...西高校」
偏差値がすごく高い高校だった。
優衣の成績なら当然か...。





「涼君も?」
「涼も成績いいし、そうなんじゃない?」
「ありがとー」
「リオはどこ受けるの?」
「まだわかんないけど...西高校目指してる」
「そうなんだ。お互いがんばろうね」





のんきに笑ってる優衣に腹が立った。
いいよね自分は、余裕なんだから。
いいよね何でも出来て...。
恋だって当たり前に順調だもんね。




あたしたちが必至で手に入れているものが、優衣にとっては当たり前で...。
でも自慢したり見せびらかしたりばかにしたり絶対しない。
だからなおさらムカつく。
憎めないからムカつく。






いい子過ぎて...ムカつく。









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