幼なじみ


終業式。
大量の課題と成績表が渡されて、解散。
明日から待ちに待った夏休みだ。
「優衣、いくぞ」
「うんー」
今日は俺らの初仕事。



翔には申し訳ないが、千夏と二人で遊んでもらう。
校門の前に一台の車が止まっている。
「酒井さんだ、こんにちは」
「やっほー行くよー」
「「はい!」」



ついたのは、一昨日きたスタジオ。
「「こんにちは」」
「お。優衣ちゃんに涼くん!ほんとにかっこいいな!」
カメラマンさんはシンさんといって、とても気さくで話しやすい人だ。
「優衣は今日からユイね。涼は涼!」
「ユイこっち!涼はそっちね!



俺をメイクしてくれるのは、近藤さん。
センスも抜群で、出来上がった俺はかなりかっこいい。
「ユイ...」
追う異質から出てきたユイはマジ可愛い!



「二人!ならんで!」
「はーい」
初めて入るセット。向けられるレンズ。
俺はモデルなんだ。



フラッシュが光るたび、違う自分になる。
隣の優衣が優衣じゃないようだ。
俺は今鈴木涼じゃなく、『涼』なんだ。







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