好きすぎた、たぶん。
「可威がすぐ受けないって俺もわかってたよ。でもじゃあ、何で俺がお前に話を持ってったかわかるか?」
「・・・杉原さんの中では、受けた方がいいと思ってるからじゃないんですか?」
「だな。わかってんじゃねぇか。」
「わかりますよ、そりゃ。だから保留にしたんです。考える時間が欲しかったから。」
「まぁ俺も今すぐ答え出せとは言わない。お前が嫌がる理由もわからなくもないからな。でも、俺は受けて損はねぇと思う。お前が主演を受ける代わりに主題歌はNUTSで決まる。お前の知名度が上がればNUTSの知名度も上がるし、主題歌になれば曲を聴く機会は増える。だろ?」
「・・・はい。」
わかってるよ、それくらい。
受けた方がNUTSにとってプラスになることくらい、わかってる。
わかってるけど・・・
「まぁそんなに返事待たせられねぇけど、極力待ってもらうから。」
「すいません、ありがとうございます。」
社長室を後にして、仕事場に向かった。