好きすぎた、たぶん。


でも俺は違った。



この仕事に就いた時点で、俺は自ら選ばれる側の人間になったんだ。



俺らがいくら歌っても、曲作っても、世間の人に俺らの曲を選択してもらわなきゃ、俺らは生活していけない。



世間の人達だけじゃない。



同じ業界の人の中でも、俺らを選んでくれなきゃ世間に聴いてもらえる機会すらない。



選んでもらうしかない、俺らは。



そうはわかってても、どこかでそれに反抗する気持ちがあって。



割り切れない自分が、やっぱりいたりして。



情けないよな。



自分で選んだ、選ばれる人間なのに。



< 112 / 880 >

この作品をシェア

pagetop