好きすぎた、たぶん。


助手席側の窓を叩く音がして見てみると、学校終わりでそのままバイトに向かったのか、制服姿のバイトちゃんが立っていた。



助手席に体を伸ばして、ドアを開けた。



「お疲れ様。」


「・・・あの・・・」


「乗って。」


「え?」


「乗って。家まで送ってってあげるよ。」


「いや・・・でも・・・」


「いいからいいから。ほら。それに今日夜雨降るんだよ、知ってた?」


「え、そうなんですか?」


「うん。もうすぐ降るんじゃないかな。傘持ってないでしょ?制服濡れちゃうよ。」



戸惑っているバイトちゃんを、テキトーな理由で助手席に乗らせた。



雨なんて降らねぇだろ。



っつーか天気予報なんて見てねぇし。


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