好きすぎた、たぶん。
「どうしたの?」
「あ、すいません。勝手に見て・・・」
「別にいいよ。そんなとこ立ってないで、座れば?」
「はい・・・」
俺がソファに座ると、バイトちゃんも遠慮気味に隣に座った。
「おもしろい?ギター見て。」
「インディーズの頃はいつもあのギターでしたよね、KAIさん。」
「え?」
「・・・私、KAIさんって言ったらあのギターって思ってて、でもデビューしたらあのギターじゃなくなったので、なんでかなって思ってたんです。」
「・・・・・・よく知ってんね。NUTSのファンって、インディーズの頃から聴いてくれてたの?」
「はい。」
「・・・そうなんだ。デビューしてからもずっと?」
「はい!!」
そう答えたバイトちゃんは、初めて俺に笑顔を向けた。