好きすぎた、たぶん。
「あ、お前、昨日テレビ見た?」
「テレビ?点けてはいたよ。見てはあんまないけど。」
「あ、そう。ちょうど月間のランキングやっててさ。」
「あぁ、見た。見たっつーかかかってた。俺らのV流れたやつだろ?」
「そうそう。それのメンバー紹介のナレーション聞いた?」
「あぁ、あんま聞いてなかった。」
「俺さ、聞き惚れる美声と見とれるほどの整った容姿だって。」
「ハハ。すげぇな。」
「だろ?なんか聞いてて俺が恥ずかしくなった。」
「だな。」
「ちなみにお前はクールな天才ギタリストだってよ。」
「俺は見た目褒めてくれねぇんだ。」
♪~
ポケットに入れてある携帯が鳴った。
表示された電話をかけてきた人物の名前に、思わず通話ボタンを押そうとした手が止まる。
いつもそう。