好きすぎた、たぶん。
「こないだ、電話ありがとうね。」
咲の話はあんまりしたくなくて、変なタイミングで話を逸らした。
「あ、いえ。」
「俺も登録したから、詩織ちゃんの番号。」
「え、あ、ありがとうございます。」
「嬉しかったよ、電話くれたのもそうだけど、よかったって言ってくれて。」
「はい。」
詩織ちゃんと一緒にいる時の俺は、よくわかんねぇけど、これは本心だった。
「あ、そうだ。」
「はい。」
「ちょっと聴いてみてくれるかな?」
「何をですか?」
「NUTSの新曲。」
「え!?」