好きすぎた、たぶん。


「どう思った?率直な感想でいいんだけど。」


「すごいです!!」


「え?」


「すっごくいいです!!“MOON”みたいに昔のNUTSみたいで、でも“MOON”とは違って。」


「そう?別に気ぃ遣わなくていいんだよ、あんまだったらあんまっつって?」


「いえ!!そんなこと全然ないです!!すっごくかっこいいです、感動しました。」



興奮気味に俺にそう話す詩織ちゃんは、たぶん嘘がなかった。



真っ直ぐな目で俺を見て、迷いない言葉で俺に伝えようとしてくれていた。



「ありがとう。」


「完成、楽しみにしてます!!」


「うん。俺も上手く歌えるように頑張るね。」


「はい!!」



詩織ちゃんは満面の笑みを俺に向けた。


こないだと同じように。


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