好きすぎた、たぶん。
でも、俺達が世間の人に大人気と言われるようになってからは、正直なかった。
デビューして1年ちょっと。
この中で出したシングルの半分はずっと初登場1位だった。
“MOON”までは。
俺の剥がれ落ちてくれないこびりついた不安は、まさかの的中だった。
「ワンッ!!ワンッ!!」
・・・ん?
俺の座ってるベンチの見えるところに犬はいないのに、なぜか鳴き声だけ聞こえた。
「ワンッ!!」
ほら。
あたりを見渡してもいない。
「クゥ~。」
そんな声が聞こえたと思ったら、何かが小さく足に当たった。
へ?