好きすぎた、たぶん。


「慰めてるなんて・・・でも!!私はすっごい好きです。NUTSをインディーズから聴いてる人はきっと好きです。」


「詩織ちゃん1人に好きって思ってもらっても、どうにもならないんだよ。」


「わかってますけど・・・」


「詩織ちゃんにはわかんないよ。」


「・・・・・・」



携帯を持ってリビングを出て、またすぐに戻ると泣きそうな顔をしながら詩織ちゃんが立ち尽くしていた。



「詩織ちゃん。」


「・・・はい・・・」


「今、タクシー呼んどいたから、帰った方がいいよ。」


「・・・え・・・」


「ごめん、飯すら食わしてあげられなくて。送ろうと思ってたけど、ごめん、今一緒にいられない。」


「・・・はい・・・」


「これ。タクシー代。」


「・・・いいです。ここから自分の家くらいの距離だったら持ってます。」


「いいよ、勝手に俺がタクシー呼んだんだから。」


「大丈夫です。じゃあ、失礼します・・・・・・すいません。」



最後に目に涙を浮かべながらすいませんとだけ言って、鞄を持って走って家を出て行った。





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